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100億人のヨリコさん 似鳥鶏

我が千葉が誇る作家さん、「似鳥鶏(にたどりけい)」氏の最新作、

100億人のヨリコさん 似鳥鶏


読了です。

苦学生(というほど勉強熱心ではないが、真実カネがない)の主人公が、転寮した、学校敷地内にある学生寮。
昭和時代にタイムスリップしたようなボロボロの外観、ネズミやゴキブリどころかハクビシンまで棲みついている寮内、建物裏にある農学部の実習畑由来と思しい、得体の知れないキノコに食用とは考えにくい昆虫の数々、そして極めつけの貧乏人で、大学のカリキュラムとは関係のない探究心と生命力旺盛な先輩学生たち……。

学生寮を取り巻くエピソードの濃さに辟易している主人公だったが、さらに先輩からこんなことを聞かされる。「この寮では、血まみれ女が天井に貼りついていたり、トイレの水が真っ赤になったりするけど、気にしないで」。……気にならないわけあるか! 主人公は怪奇現象の正体を探りはじめる。

**********************************
こちらの作家さん、以前からも紹介しておりますが、「あとがき」が面白いんですよ。
で、その「あとがき」で書いていた「依子(よりこ)さん」がとうとうタイトルになるとはね~。

最初はね、あらすじだけ見ると「ハチャメチャな大学生活なんだろうなぁ、『キケン』みたいな感じ?と思いながら読み始めたんです。
主人公が転寮(要は入学当時は新しい寮に安く住んでたんだけど、年が上がるとそこを出なくちゃいけない、で転寮)した先は「富穰寮(ふじょうりょう)」という処。

大学に相談して「出せるお金がない」と訴えるとこっそり紹介してくれる寮です。
大学内にあるとはいえ、かなり遠い山の中(てかそんな広い大学あるの??)。

住人は変な人ばかり。
「電動アシスタント付車椅子の巨漢は在日二世で経済学部の汪(ワン)さん、スーパーで働きながら小学四年生のひかりちゃんと一緒に住んでいる奈緒さん、灰色の着流しに足元は雪駄の先輩、眼鏡をかけたベナン共和国出身のマトフンジくん、がっしりとした体型で常に白衣を着ている儀間さん、教育学部3年の僕(小磯)、鹿の麒麟様にひかりちゃんより年上なのになぜかまだ卵を産む雌鳥の朱雀様、象亀の玄武様、白猫の白虎様の四神、天井上には山田さん一家・・・。」

いや、中には人じゃないのもいますから~(^o^)。

で、ヨリコさん。彼女の出現パターンは、
・夜中に目覚めると天井に血まみれで張り付いている、
・昼間に明かりをつけないまま水を流すと、5~6%の確率で血が流れる便器、
・夜中にコツコツと足音がして、部屋のノブががちゃがちゃ回される、
・窓が開く音がして、見るとカーテンが開き、窓の外からじっと見下ろしている、

こんな寮いやだ~!とニヤニヤしつつ読んでいくと・・・あ、あれ??
まさか!な展開に。
いやか、ビックリですよ。まさかそんな事になるなんて!

まさかな事はここでネタバレできませんが、いや面白いですっ!
もちろんそこへ至る経過も↑バカバカしくて笑えるんですが、座っていた座布団引っこ抜かれたような気分になります。

結構分厚さはありますし、ネチネチ書いている部分も多いので、読んでいてイヤになる方もいるかもしれないですが、オススメです。

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Comments

たしかに住人さんすごそうですね。

Posted by: オサムシ | November 03, 2017 at 07:12 AM

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