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スキップ・ターン・リセット 北村薫

私は軽々と飛んで着地した(スキップ)
ターン、ターン、その繰り返し。でもいつかはリターンしたい
想いは、時を超える―希いはきっと、かなえられる(リセット)

スキップ(1995) ターン(1997) リセット(2001) 北村薫

読了です。

<スキップ>
昭和40年代初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、
千葉の海近くの女子高二年。わたしは家の八畳間で一人、
レコードをかけ目を閉じた。
目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘が
いる高校の国語教師・・・

<ターン>
真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。
気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める
自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。
が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった・・・。

<リセット>
太平洋戦争末期、神戸に住む女学生の水原真澄には、
結城修一というほのかな恋心を抱いている少年がいる。
度重なる戦火がふたりを引き裂いた後終戦。
昭和30年代前半。小学5年生の村上和彦は、
自前で小学生に絵本や児童書を貸し与える女性と
知り合う。彼女こそは水原真澄だった。
折りしも獅子座流星群の到来まで、あと4年と迫っていた…。

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Butanekoさんより
「北村薫って、名前は聞いたことがありますが、
これといって本が思い浮かびません(^_^;)
読みあさってるってことは、 面白いのかな???」

はい、これが面白いんです。
特に大きい賞を取られているわけでもなく、
これ、と言う本がある訳ではないんですが、
上質さにかなりやられています(^o^)。

最近の小説作品。簡単に読めるし、勢いがあれば
結構面白い。スピード感もあって動きの想像ができる。
たまに外れても「まぁ、すぐ読み終わったから良いか」
ってあまり気にもならない。

でも、読み終わった後、作中に気に入った文章が
あった訳ではなく、読みなおす事も(余り)なく、
文章を噛みしめる事もない。
ただ時間潰し、って感じになってしまっており、
「あぁ、ちゃんと味わってないなぁ」と思ってしまったんです。
いわゆる「ファストフード」って感じなんです。

なので、きちんとした食事がしたくなったんですよね。
慎重に選ばれ、採用された言葉で紡がれた文章は
急いで食べると「味はぼんやりしてるし、消化も悪い」。
けど、じっくりと噛み締め、味わうとそのおいしさに気づく、
みたいな。今の自分に合っているな、って思います。

「時と人」三部作ということで、時間をスキップした話、と
時間を繰り返す話、とリセットする話、になります。
ただ設定がそうなっている、だけの事でなく、実は今、
自分にも起きているんじゃないか?と想起させる
何かが隠されています。

毎日同じ日常、会社行って家帰って、気づいたら1日が
1週間が終わっている。
ふと「去年の今頃は何をやってた?」「5年前は?」
「10年前は?」と思い返してみたら、代わり映えがせず、
歳だけ取っていた。それって「毎日ターンするだけで
気づいたらスキップしてて、リセットはなかなかできない」
のと何が違うのか?みたいな。

多分最初は読みにくいかもしれません。
純文学に近い方、って印象を受けるかも。
でも、ゆっくりじっくり言葉を追って噛みしめて、
つまづいたらちょっと前に戻って読みなおしてみて下さい。
「言葉って豊かだったんだなぁ」って再認識できるかも。

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Comments

「気づいたらスキップしてて、リセットはなかなか
できない」なかなか重いですね。

Posted by: オサムシ | November 02, 2015 at 06:49 AM

毎日同じ日常を過ごしていて、あっと言う間に時間が経過している・・・よく聞きます。
でも、その中にも何か素敵な事がきっとあるんでしょうね。

Posted by: mahalobunny | November 02, 2015 at 02:39 AM

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