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円紫さんシリーズ 北村薫

大学で日本文学を学ぶ「私」と、
落語家・春桜亭円紫との物語.。

◇空飛ぶ馬
 収録作品:織部の霊 / 砂糖合戦 / 胡桃の中の鳥 / 赤頭巾 / 空飛ぶ馬
◇夜の蝉
 収録作品:朧夜の底 / 六月の花嫁 / 夜の蝉
◇秋の花 :長編
◇朝霧
 収録作品:山眠る / 走り来るもの / 朝霧

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北村薫さん、と言う作家さんを知らずにいて
損したな、と最近思うようになりました。
もっと早くに知っていたら何かが違ったかも、と。

「日常の謎」と言う事で本を捜していていました。
と言うのも「ライトノベル」系を読んでいて、
「日常のふとした謎」って多いなぁ、と思っていて
でもそれにしちゃ、安っぽくない?って思って、
どうせなら、「ちゃんとした日常の謎」本を
読んでみたい、と(;^^) う~ん意味分からん。

で探してみると「北村薫」氏がすごい、と。
以前に読んだ「六の宮の姫君」の「私と円紫さん」
シリーズを最初から読んでみることにしました。

大学に通う「私」。ふとしたきっかけで、教授から
落語家さんを紹介され知り合います。
学生時代からとても優秀な彼は、「私」が日常で気づく
出来事に明快な筋道を示してくれます。

先般、と言っても8月の終わりですが、上野で呑み会が
ありました。
その時、待ち合わせ場所の真向かいに「鈴本演芸場」
があったんですね。
何度か上野に行ってたはずなんですが、気付かず・・(;^^)。
今回はじめて「あ、こんなところに演芸場があるのね」と。

女子学生の「私」はこの「鈴本演芸場」に「円紫さん」が
出ていることを聞き、お出かけする、なんて下りを本の中で
見つけ、「あっ!まさかあそこ??」とビックリ。
知識と体験が結びついた瞬間のある種感動を覚えました。

いかに「見てないか」「知ろうとしてないか」思い知らされた感じ。

1作目の「空飛ぶ馬」は1989年初出ですよぉ。
正に同世代。こんなに真面目な女子大生じゃなかったけど
その頃読んでたらなんか違ったのかも、って思った。
(25年以上経過してから読むなよ、って感じですが;^^)

私は昔からある「日本文学」はニガテでした。
死んだ祖父が大好きだったジャンルだけに、聞けば
色々教えてくれたんでしょうが、祖父とはあまり親しくなく、
それだけに彼のジャンルには踏み込んじゃいけない的な
除けて通るものでした。

でも主人公「私」はそのジャンルの本を良く読んでる。
更にロシアやフランス、ドイツ文学の翻訳本も読んでおり、
教授に気に入られたのも、昔の言葉を知っていたから。
落語も好きな主人公だけに話についていけてるみたい。
読んでいて「うわぁ、全然本読んでなかったんだな、私」、と
後悔しきり、でした。

この本はライトノベルのようにすぐ読めるものでもないし
日本語も簡素ではありません。
でも一言一言を大事に取捨選択し、使っているのが分かる
素敵な作品でした。
読み終わっちゃうのが惜しかったですもの。

「1万円からお預かりします」とか
「メニューの”方”おさげします」
「~でよろしかったでしょうか」と言う、なんか分かんないけど
聞いててちょっと違和感を覚える日本が氾濫する今、
ちょっと古くさいけど読んでいて安心するこのシリーズは
おすすめです!

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Comments

落語のCDを図書館で借りるマイブームがありました(*^-^*)MDで保存してありますが、捨てられないものです(*^-^*)

Posted by: セイレーン | October 27, 2015 at 09:14 PM

日本文学 私も遠い存在ですね。

Posted by: オサムシ | October 26, 2015 at 06:44 AM

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