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黒い雨 井伏鱒二

目に映ったのは大きな大きな入道雲であった。
この入道雲は太い脚を垂らして天高く
伸び上がっている。
雲はじっとしているようで決してじっとしていなかった。
東へ西へと広がり動くたびに雲のどこかが
赤に紫に瑠璃色に緑に色を変えながら、
強烈な光を放つ・・・。

黒い雨 井伏鱒二


読了です。

一瞬の閃光に街は焼けくずれ、放射能の
雨のなかを人々はさまよい歩く。原爆の広島

――罪なき市民が負わねばならなかった
未曾有の惨事を直視し、“黒い雨"にうたれただけで
原爆病に蝕まれてゆく姪との忍苦と不安の日常を、
無言のいたわりで包みながら、悲劇の実相を
人間性の問題として鮮やかに描く。

被爆という世紀の体験を、日常の暮らしの中に
文学として定着させた記念碑的名作。
******************************************

今年の夏はなんか戦争について興味がありました。
タイムリーと言ってはなんですが、「はだしのゲン」
なんかのNewsもありましたしね。

で、図書館で「良し」と借りてみました。

話はある一家族の日記を中心に進みます。
小畠村(こばたけむら)の閑島重松(しずましげまつ)と
妻シゲ子、姪の佐須子。

爆心地から10kmはなれた場所まで疎開荷物を
運んでいた姪は途中「黒い雨」に遭遇した。
爆心地から2kmの横川駅で被爆した重松、
自宅台所で遭遇したシゲ子の夫婦は、
数年を経ても症状はひどくならないのに対し、
歳若い佐須子は自分の症状を誰にも相談できず
原爆症を発症してしまう・・・。

「原子爆弾」と言う言葉自体を知らなかった為、
起きた悲劇。
残留放射能を市内で浴びた為、力もいれずに
歯が抜ける。
総入れ歯になったが、顔の形をごまかす為、
あごひげを生やし、それが「偉すぎる」と不評をかう・・

色々な出来事を書き込んでいくその様子を読んで
「自分に想像力がなければ良いなぁ」と思います。
漫画と違い、想像力で決まる小説は、斜め読みすれば
「大したことないじゃん」と切り捨てられるかもしれない。

でも、あいにく、そこそこの想像力を持っており・・・
はい、しんどかったです(;^^)。
でも読めて良かったなぁ。文体はやや読みづらいですが
一度は読んで欲しい作品ですね。

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Comments

まだnanagonには早い作品かな?
テレビ、子供に読ませたいと思う本はトイレに置いておくといいとやってました。
なんとなくわかる気がするなぁ~と思ったけれど、読み終わった後本箱に戻すのにちょっと抵抗がと思ったnanamamaです。

Posted by: nanamama | September 14, 2013 at 11:14 PM

有名な作品ですね。

Posted by: オサムシ | September 14, 2013 at 08:28 AM

高校生の頃読んだので、話は記憶にはあまり残っていないいのですが
読んだときは、ショックだった記憶があります。

Posted by: ジャランこ | September 14, 2013 at 08:04 AM

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