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香菜里屋シリーズ 北森鴻

香菜里屋を知ってますか?
(かなりや)
東京は東急田園都市線の三軒茶屋駅。
駅から地上に上がり、世田谷通りを環状七号線に
向かって歩くこと200mほどの処を左折、
後は幾つかの路地を右へ左へ進むと、
小さな路地裏にぽってりと淡い光をたたえた等身大の
提灯が見えてきます。

アルコール度数の違う4種類のビールを常備、
カウンターにはヨークシャテリアの刺繍のついた
エプロンを身に着けたマスター、彼の
「今日は**の良い物が手に入りましたが」と語りかけ
その味が外れる事がない、と言う店ですよ。

香菜里屋シリーズ 北森 鴻
シリーズ1:花の下にて春しなむ
シリーズ2:桜宵
シリーズ3:蛍坂
シリーズ4:香菜里屋を知ってますか?



読了です。
********************************************
香菜里屋、と言うお店。「和食」「居酒屋」「バー」、と
人によっていう事は違いますが、共通するのは
「一度スツールに座ったら時間を立つのを忘れる」事。

そして、持ち込まれる多くの謎を客同士が互いの推理を
競い、いつでも解き明かすのはカウンターの中にいる
ヨークシャテリアの刺繍付エプロンをつけたマスター工藤。

謎は色々。
変死を遂げたアマチュア俳人の謎、
駅備え付けの無料文庫に挟まれた家族写真の謎、
多摩川河川敷の終の棲家、
赤い手の魔人の都市伝説、
回転寿司屋でマグロ7皿食べる男、
俳人はなぜ鎌倉に留まったのか?

1冊だけで↑の謎が持ち込まれます。
短編集なので、読みやすく後味すっきり。
これこそ、ビールを片手に楽しみたい作品です。
香菜里屋で供されるビールは4種。

度数の違う4種で、低めの2種はジョッキで、
高めの1種はピルスナーグラス、一番高い度数のは
オールドファッションドグラスに氷を入れたロックスタイル、
好きな時に好きなビールを好きなスタイルで飲むことが
できます。 ↓表紙絵のこれね(^o^)

1308_006

また、マスター工藤氏の作る料理がすごい!
「こちらは家庭でもできますよ」と言うけど・・・
作るより食べるほうが良い!と誰もが思うはず。

揚げ出し豆腐に蛸飯(桜飯)、カレーにタンシチュー、
潮汁(うしおじる)にロールキャベツ、と作品毎に
2,3品の料理が必ず出てくるんだけど、
ビールにあいそうなアレンジがまたすごし。

日本酒がちょっと飲みたい、ワインかな、と思うと
「丁度良いお酒が入ったんです」と供される・・・。
胃薬飲んでるのに、どうしてもこの店で一息ついてから
家に帰りたい、と思わせる雰囲気のお店です。

いやいや、ホント、北森鴻氏の早逝が残念です。
こちらの作品は第1作目が1998年、最終話が2007年の
間に出されたもの。作家本人が調理師免許を持っている、
との事もあるようで、こういう店、やりたかったのかな?って
思わせるものに仕上がっています。

最終話の「香菜里屋を知っていますか?」は単行本化時に
書き下ろしで追加されたもの。
こちらには、往年のシリーズキャストが出てきており、
「旗師の冬狐堂」や「雅蘭堂の越名」、「大学教授の蓮丈那智」
などが勢ぞろい!
もうそれだけで嬉しくなっちゃいますね~。

特に旗師、冬狐堂が完結せず亡くなられてしまったので、
そう考えると感慨深し、です。
北森鴻氏の作品、これからも少しずつ読んでいこうと思います。

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Comments

一瞬、本当にお店が実在するのかと思ってしまいました。
でもこういうお店あったら通いたいなぁ~

昨日のストーンちゃんの記事に色々とアドバイス等ありがとうございました。
nanamamaも張り紙考えたのですが、電柱には貼ったりしていけないそうでフリーペーハーに掲載とか今策を練っています。

Posted by: nanamama | September 23, 2013 at 12:10 AM

これは 美味しそうな本ですね^^

Posted by: セイレーン | September 22, 2013 at 11:11 PM

香菜里屋、実在するのかと思っちゃいました。

北森鴻氏、知りませんでしたが、いろいろ出しているのですね。

Posted by: ジャランこ | September 22, 2013 at 07:17 AM

一冊にてんこ盛りって感じでおもしろそうですね。

Posted by: mahalobunny | September 22, 2013 at 05:06 AM

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