« 指し手の顔 (脳男2) 首藤 瓜於 | Main | 親指さがし 山田悠介 »

良心をもたない人たち マーサ・スタウト

皆様、いつもコメントありがとうございます。

「しょうがい」と言う時は「障害」と思い浮かべてましたが、
「しょうがい」を「障害」ではなく、「障碍」「障礙」「障がい」
と書くべき、との論説もたくさんあるそうですね。
(碍や礙は常用漢字ではない→漢字制限らしいですが)

↑の言葉を支持する方のそれぞれの主張には
一理あるし、特定のどれかを奨励するつもりは
ないのですが、ググっていたら、
最近、学校で「障害物競走」をやらないと知りビックリ。

そういえば以前、「図書館戦争」の文章での「片手落ち」
についてスペースをとりましたけど、
言葉って本当に難しいものですね。

********************************************
Butanekoさんが紹介していた本
図書館ですぐ借りられました~。
最近読みたい本は図書館で借りるようになり、
本代がすごい助かってます。
それでも好きな本は買うんですけど、
今度は買った本を読む時間がなく、積まれてます・・。

良心をもたない人たち マーサ・スタウト

読了です。

一見、魅力的で引きつけられるが、
身近につきあってみると、うそをついて人を操る、
都合が悪いと空涙を流して同情を引き、
相手に「自分が悪い」と思わせる、
追いつめられると「逆ギレ」して相手を脅しにかかる…

そんな人たちがいる。彼らは自分にしか関心がなく、
他者への愛情や責任感によって行動が縛られることがない。
つまり「良心」をもたないのだ。

出世であれ遊び暮らすことであれ、手段を選ばず
自分の欲求をみたそうとするので、周囲の人は
手ひどいとばっちりを受ける。
だが本人は悪びれず、自分こそが被害者だと言いつのる。

本書は、25人に1人いるという「良心のない人」の
事例をタイプ別に紹介し、もし彼らに関わってしまったら
どうればいいのか? 
事前に見分ける方法はあるのか? 
そんな疑問にすべて答えてくれる。
**********************************

「良心」って一体なんなんでしょうね?
なくても生きていけるし、あると当人が苦しむし。
見方によっては、「しがらみ」とか「義理」のようなものとは
無縁でいたい、って思うこともあるのでは?
さて、あなたは「良心」があると思いますか??

なかなか小難しい文章で書いてあり、堅い本です。
じっくり読むと面白いんですが、もうちょっと分かりやすく
なるともっと嬉しいかなぁ。

内容的には面白く、うんちくも色々。例えば
 ・サイコパスの数が少ないのは東アジアの国々、
  特に日本と中国では割合が低い
とかですね。実際の調査結果では、
台湾の地方と都市では 0.03~0.14%、
西欧世界では平均約4%、なんだそうです。

これは文化の違いによるのでは?と続きます。
 ・個人主義を価値の中心におく北米文化、
  信仰として古来から万物とのあいだの相互関係が
  重視される  →きずなに基づく義務感のアジア圏。

って事は、事はですよ?
「only one」って実は危険な一面があるのでは??
その昔、大家族での生活を通し、目上を敬い、
兄弟で助け合い、ときずな、がありました。

それが「核家族化」という事で大人数の中にあった
がまん、や辛抱、がなくなり、あなたはあなたらしく、と
個性を埋没させないよう謳われるようになり・・・

今、家族が崩壊しているそうです。
離婚が増えたのも要因の一つですが、女性のホームレス
(それも結構若い年代)も増えているんだとか。

で、結果こうなるの??って思ったら暗澹たる気分・・。
あ、そこまでステレオタイプに決めつける気はないですが、
25人に1人、となると仕事場には4人ほどいる計算に。
 ※アジア圏の統計なら1人いるかいないか、ですが。

考えてみると、近い人、いますね(;^^)。
なんていうんでしょ、本に出てくる程ひどくはないけど
「自分にしか関心なく、他人の気持ちや想いにしばられない」人。
「人を操る」事まではやってない、と思いますが、
何となく周囲の人が「悪いことしたかな」と気にしてしまう。
んでもって「矯正不可能」だっていうんだから・・・

かなり憂鬱な気分になりますが、ぜひ知っておいた方が
良いかな、って内容です。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ ブログランキング・にほんブログ村へ

|

« 指し手の顔 (脳男2) 首藤 瓜於 | Main | 親指さがし 山田悠介 »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

目上の人といえば自分の姉のことをお姉ちゃんと呼ばず名前で呼ぶとか クレヨンしんちゃんではママと呼ばず名前で呼ぶとか・・そんなことを思い出しました。

Posted by: セイレーン | April 27, 2013 11:37 PM

海外へ行くと日本の常識が通じないこともありますが
「良心」に対する感覚も違うのでしょうかね?

Posted by: ジャランこ | April 26, 2013 10:36 PM

nanagonの学校の役員の時に感じについては色々勉強させられました。
「子供」や「ご多忙」は役員やるまで全く知りませんでした。

この本もう少しわかりやすければnanagonに読ませたかったです。

GW時間があったら「スメル男」を読みたいと思っています。

Posted by: nanamama | April 26, 2013 09:43 PM

日本語 難しいですね。

Posted by: オサムシ | April 26, 2013 06:09 AM

「障害」・・・なるほどねぇ〜。でも、こういう事を言ったらきりがないとも思うのですが・・・確かに漢字は難しい!
「良心」・・・これも人によって取り方が違うのかなぁ〜と思いました。良心に義理や義務を含む物かどうか・・・私は、良心のない人を「心ない人」と言う言い方をします。

Posted by: mahalobunny | April 26, 2013 12:20 AM

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 良心をもたない人たち マーサ・スタウト:

» 悪魔は身近に潜んでる:良心をもたない人たち [本読みの記録]
良心をもたない人たち (草思社文庫)作者: マーサ スタウト出版社/メーカー: 草思社発売日: 2012/10/04メディア: 文庫 本書に出てくるような人には絶対に関わってはいけない。 たまに身近な人々を巻き込んだサイコパスによる犯罪がニュースになると、なぜこんな人々に関わるのか?という点が不思議でならなかった。 だが、本書を読むと、世の中には程度の差こそあれ良心を持たずに他人を傷つける人が一定数居て、そうした人々が無駄に魅力的で、善良な市民の人生における落とし穴になってしまっている事態が... [Read More]

Tracked on July 05, 2013 10:06 PM

« 指し手の顔 (脳男2) 首藤 瓜於 | Main | 親指さがし 山田悠介 »