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悼む人&静人日記 天童 荒太

友人が絶賛しており、読んでみようかな、と
手に取ったこちら「悼む人 天童 荒太」


読了です。

【悼む人】
全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。
彼を巡り、夫を殺した女、 人間不信の雑誌記者、
末期癌の母らのドラマが繰り広げられる。
聖者なのか、偽善者か?「悼む人」は誰ですか。

【静人日記】
見知らぬ死者を悼み、全国を放浪する静人。
日記という形式をとり、過酷な旅の全容と静人の脳裏に
去来する様々な思いを克明に描く。

************************************************
舟越圭さんという芸術家の作品が表紙で、
とても特徴的ですよね。
ちょっと怖いような、落ち着くような不思議な気分になります。

まず「悼む人」。
静人と言う若者が全国を旅して、死者を悼むんですね。
新聞記事やTV、雑誌などから死亡記事を探すんですが、
現場で彼は
 「この方はどなたに愛されていたのですか?」
 「この方がいなくなりどなたか悲しむ方はいるのですか?」
と聞いていきます。

どんな死に方だったのか、とか誰に殺されたのか、ではなく
「死者が生前、どんな風に生きて誰に愛されたか」を
覚えていこうとするわけです。

日本では1分間に2人位亡くなられているそうです。
(2009年の統計数値から)
そもそも、亡くなった人と縁や縁(ゆかり)があるならともかく、
交差点においてある花束や、新聞の記事で知る事はあっても
それをいつまでも覚えている事ってあまりないですよね。

逆に「どんな殺され方(死に方)だったのか?」という事は
意外と覚えていますよね。
哀しい事件、ひどい事件などは特に。
幾つかすぐに思い出せちゃいます。
でもそれで亡くなった方がどんな人だったのか?
覚えていないんですよね。
「部活ではキャプテンを熱心に務めていた」とか
「近所の年寄りに可愛がられて」とか、
「小さい弟や妹の世話を一生懸命している」などって。

本当はそういう事を覚えていてあげるべきでは?
哀しい最後ではなく、その人が幸せだった時を覚えていて
あげる方が良いのでは?
笑顔を覚えていて上げるべきでは?

静人はそういう気持ちで全国を巡ります。
その行動は誤解され、疑われることも多いですが、
彼と行動した人、悼んでもらえた身内の人は
「どこかで、この人のことを覚えていてくれる人がいる」
と感謝する人もいます。

「悼む人」は泣きましたね。
なんていうんでしょ。賛否両論ありそうな題材ですが、
ただただ「人を悼む」行為に涙がでました。

意外と(失礼)読みやすくて、良かったです。
もっと小難しい文章を書くのかと思ってました。

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Comments

ちょっと気になる話です。
でも、読まずに終わってしまうかも。

私は読むのが遅くってね。
なかなかほかの本が読めないのです。

Posted by: ジャランこ | January 24, 2013 at 11:27 PM

インパクトのある表紙に内容もインパクトがありそうで、是非読んでみたいです。

Posted by: nanamama | January 24, 2013 at 08:59 PM

最近、某オンラインゲームにハマりかけていて(遅いぞって感じですが)、本を読む時間がありません(爆)
絶対本の方が人間は育つのですが、ゲームの中の人間ばかり育ててます…

Posted by: 麻能 | January 24, 2013 at 07:22 PM

表紙が結構インパクトありますね。

「コリアン・プレートランチ、って頼んだことないなぁ。」ってコメントを頂いたので・・・でもMe BBQもコリアンプレートですよね!?と思ったんもので・・・。
ん???

Posted by: mahalobunny | January 24, 2013 at 03:23 PM

疎遠だった祖母が先日亡くなりました
なくなる前は嫌な思い出ばかりが思い出され
会うこともなくなってしまった祖母ですが
本当になくなってしまうと小さい頃可愛がってもらった良い思い出ばかりがよみがえります

Posted by: PAM | January 24, 2013 at 12:52 PM

私の母も癌でなくなってます。
考えさせられますね。

Posted by: オサムシ | January 24, 2013 at 06:49 AM

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