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「殺人の門」

殺人の門昨日は仕事のトラブルで、帰宅したのが12時ちょい前。風呂に入ってほっとして水曜日が休みな為、つい読み始めて朝の4時・・・。最後まで読んでしまった・・・。

医者の家に育ち、お手伝いさんまでいる主人公の少年。が、祖母の死を境に壊れていく家族。転校先でもいじめられ、好きになった子は自殺してしまう。せっかく就職した会社も退職する羽目になり、知り合った女性には拒絶され、結婚した女性は彼のことを愛してはおらず、たどり着いた先は結婚生活の破綻と失職。
なぜ、私がこんな目にあうのか?その理由を、そもそもの発端の原因を知った彼は殺人の門を越えてしまう・・・。

殺人の門:動機さえあれば殺人が起きるわけではない。動機も必要だが、環境・タイミング・その場の気分、それらが複雑にからみあって人は人を殺す。さらに何らかの引き金によって行動するものがいる。これらがない限り、人は殺人者となる門をくぐることはできないのだ (本文より要略引用)

いや、暗いです。これでもかこれでもか、と不幸のオンパレード。なのに主人公は生まれが良いのか悪になりきれず、悪にもてあそばれ、人生を狂わせていく。誰が諸悪の根源か、誰の思惑で動かされているのか、読者は分かっていく。なのに彼は悪がときおり見せるやさしさに確信が持てずフラフラしている。そんな彼の心の内を読み、読者も悩んでしまう。

白夜行と違い、主人公の一人称で綴られるこの作品。彼の心中がはっきり伝わってくる。その代わり他の人の心中がさっぱり読めない。彼の心向き1つで世の中が動いていく。これはきついですよ~。まるで主人公になったかのように見えない悪意、不幸が自分にしみこんで行く。誰を信じ、誰を愛すべきか?軽蔑した父親と同じ境遇に自分が陥る、何をしてもうまくいかない、がんじがらめにされて蜘蛛につかまった虫の気分。

いやぁ、目覚めは悪かったですね。若干テンポが悪いところもあり、「またか(┐・・┌)」と思う部分も。
でも面白かったです。

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