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「模倣犯」

この正月休み(と言っても・・・の休みだが)はたまったDVDを見ようと思っていた。ところがはまってしまった・・・。年末に買い集めた「模倣犯」に。
昔、映画を見に行った。中居くんがピースをやると言うし、宮部さんの大ファンな私。喜んで行ったのだが、肩透かしをくらってしまった。一緒にいった友人が「訳分んない~」と言うのもよく分かる、という感じ。最初から真犯人が分っている、分っているのに回りの人物が交互に推理を主張して、全体の流れが読めない、そのままラストまで突っ走って、ラストはCGで中居君の首が飛ぶ(;^^)という支離滅裂さ。
だから小説が文庫化されるのが楽しみだった。そして読み始めたら、ついつい宮部マジックにはまってしまった・・・。それぞれの登場人物の奥深く、内面にまで踏み込んで書かれている。その内面は決して心地良いものではなく、むしろ辛くいたたまれない気持ちになるものだ。「そこまではいらない、もういい」と思っても「もっと食え、もっと食え、お前はお腹が空いているって言ったでしょ?」と畳み掛けるように小説の中で現実をつきつける。
大衆の一部分になってしまったかのように、納得できる答えを探して小説を読むしかなくなってしまう。そして最後の最後、被害者の祖父の「事件は解決した、解決したってよ。俺の孫は帰ってこないのに、全てが終わってしまったと言うんだ。ふざけんな!俺の孫を返してくれ!たった一人の孫娘を返してくれ」と身も世もないようにむせび泣く姿に涙をながしてしまった。犯罪は犯人が捕まっても終わらない、刑が確定しても終わらない、残された遺族は家族がいなくなった、という現実と死ぬまで向き合わなければいけないのだ、という当事者でないと理解できない事柄だけ突きつけられて小説が終わる。
正月早々読む本じゃなかったかもしれない・・・。

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書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

 初めまして。あなたのブログを見て、感想を書きたいと思い、コメントを残します。
 宮部みゆきの『模倣犯』を文庫で読了しました。単行本で一回読みたいと思いましたが本の部厚さに怯んでしまい。文庫化と聞いて読み始めました。
 1冊でさえ部厚い文庫5冊どうなるかと思いましたが、のめり込む、のめり込む、あっという間に読み終えてしまいました。
 私はあまりミステリーは好きではないのですが
、殺人事件の中にも、人間の本質、誰もが持っている本性のようなものに共感しました。
 私はカズが3巻で一生懸命にヒロミをピースの罠から逃れさせようとする様、愚鈍でだめ男でも、心の優しいカズの心情、また幼馴染の男の友情に涙しました。
 あなたの感じたように犯罪被害者のおじいちゃんの最後の叫びは、当事者ではなければわからない、最後まで一本木の通ったおじいちゃんの本音が、物語の寂しさを語っていました。
 私はこの『模倣犯』の余韻、みんなはどんな感想をもったのか、ブログを見ましたが、あなたのブログを見て、初め書いたように、「コメントを書きたい」と強く感じたのでしたためました。
 今度は『魔術はささやく』を読もうと買ってきました。
 皆さんは『火車』がいいと言う意見が多かったのでそれも読んでみたいと思っています。
 それでは。

Posted by: 津田敦史 | January 27, 2006 at 10:12 PM

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» 模倣犯(文庫版)を読んで [My Favorite Things]
うーん、やっぱ映画にする内容じゃなかったようですね。 単行本上下2巻、文庫本にして5巻。 あとがきでわかるけど、連載3年、出版まで追加2年。文庫までにさらに4年かかってますからね。 ストーリーが1996年って言う時点であれ?と思ったけど。 キャスティングからしても無理なキャスティングをしているし。 DVDも出ているみたいですが、見ないことに決めました。 (よかった、映画見てなくって。という感じですね。) ... [Read More]

Tracked on February 13, 2006 at 12:57 PM

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